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映画レビュー「2人のギブス」

2026年3月23日

練習中に衝突してケガをし、ギプス姿になった愛花と詩織。「もう一度爆発してみる?」。2人は体育館でボールのパスを始める。

ギプスで結び付いた2人

松葉杖を突いた女子高生2人が、ヘアピンカーブ状の坂道を昇り降りしていく。同級生の愛花と詩織。愛花は右足、詩織は左足にギプスをし、包帯を巻いている。

対称形に並ぶ2人は、踏切を渡り、駄菓子屋で休憩する。学校からの帰り道なのだろう。蝉の声が鳴り響く。真夏である。

2人はともにバスケ部。だが部内での立場は対照的だ。愛花はインターハイでの活躍が期待されていたエースだが、詩織は戦力外の補欠。部員たちは愛花のケガによる脱落を残念がる一方、練習中に衝突して愛花にケガをさせた詩織に冷たい視線を向ける。

通常の青春映画なら、ともに負傷した本人たちの複雑な気分にも触れるだろう。だが、本作はその部分にはほとんど頓着しない。足の負傷を共有することで、同じ地平に立った。そのことをひっそり喜んでいる2人が描かれるばかりなのだ。

そんなある日、愛花は負傷以来、疎遠となっていた恋人の中谷が、部室でマネージャーの島崎と浮気している現場を目撃。必死で言いつくろう中谷に愛花はきっぱり見切りをつける。

2人を結び付けると同時に隔ててもいたギプスが取れたとき、何が起こるのか。どこまで行けるのか――。

過剰でもなく、抑制でもなく、等身大に描かれた少女たちの放つエロスがリアルに生々しい。随所に散りばめられた喜劇的セリフやシュールな演出も、物語を弾ませる効果的なスパイスとなり得ている。エンドロールのダンスシーンにも注目したい。

 

 

 

投稿者 : Nobuyuki GOTOH

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